夏風邪とは|原因や症状、感染経路、検査、治療法

夏風邪とは?

夏風邪とは夏に流行する発熱や、喉の痛み、咳などの風邪症状が見られる病気をまとめた名称です。

特に5歳以下の子供が感染する可能性が高い病気ですが、大人も発症する可能性があり、一般的に次の病気に感染していることが多くあります。

手足口病

コクサッキーウイルスA6、エンテロウイルス71(EV71)などのウイルスに感染することにより、38度以下の発熱や手足や口の中に発疹が生じます。

ヘルパンギーナ

主にエンテロウイルス属のコクサッキーウイルスに感染することにより、38度以上の発熱、喉の痛み、口内に水疱ができるなどの症状が見られます。

咽頭結膜炎(プール熱)

アデノウイルスに感染することにより、喉の腫れ、結膜炎、39度以上の発熱、下痢や腹痛等の症状が見られることがあります。

夏風邪で現れる症状は?

感染したウイルスの種類によって症状は多少変わりますが、主に発熱や喉の痛み、咳などの風邪症状が生じます。

夏風邪の場合は、比較的症状は軽くてすみますが、手足口病やヘルパンギーナの場合、重症化して脳炎や髄膜炎などの合併症を引き起こす可能性があります。数日発熱していたり、不機嫌な様子が続くときは、一度病院を受診しましょう。

夏風邪の感染経路は?

主に、感染者の唾液や鼻水、くしゃみ、咳などの飛沫を吸い込むことによる飛沫感染や、感染者が使用したタオルを使用することで感染する接触感染があります。手足口病の場合、糞便中にウイルスが排出されるため、糞便を介した糞口感染によって感染が広がる可能性があります。

飛沫感染や接触感染によって、しばしば幼稚園や保育園などで感染が広がります。

夏風邪の検査方法は?

症状を確認する視診と、通っている保育園や幼稚園等で発症していないかを聞く問診を行い、夏風邪が疑わしい場合は喉の粘膜を採取して原因ウイルスを特定する検査が行われます。

夏風邪の治療方法は?

夏風邪の原因となる手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱には、効果的な特効薬は存在しないため、症状を緩和させる対症療法を行い、症状が回復するのを待ちます。

こまめに水分補給を行う

発熱していると体から水分を失いやすいので、脱水症状を防ぐためにも、こまめに水分補給を行う必要があります。

冷たい飲み物や刺激の強い飲み物は避けて、常温の飲み物を飲むようにしましょう。水分補給を行う際には、できれば水分と塩分を同時に摂取することができる経口補水液が良いでしょう。

口内や喉に炎症が生じているときは、痛みで飲み物を飲むことを嫌がるかもしれませんが、できるだけ水分補給を心がけてください。

安静にする

熱や咳が出て、体がきついときは、横になり安静にしてください。横になると咳が出て眠れないときは、クッションなどにもたれかかるようにすると楽になります。

空気が乾燥していると咳が出やすくなるため、特に冬は加湿器などを使い湿度を一定に保ってください。

体をきれいにする

発熱していると汗をかきやすいため、こまめに体を拭いたり着ている服を着替えたりすることで体をきれいにしましょう。

お風呂に入っても構いませんが、お湯やタオルを介して感染が広がる可能性があるため、感染者や一番最後にお風呂に入り、同じタオルを使い回さにようにしてください。

夏風邪の予防方法は?

夏風邪の感染は、主にくしゃみや咳などの飛沫から感染したり、飛沫が手に付いてタオルなどを介して感染したりするので、外出の後やトイレの後など、こまめに手洗い・うがいを行うと良いでしょう。特に外出時はマスクをつけることで感染を予防することができます。