生活習慣病外来

生活習慣病とは、高血圧症、高脂血症、糖尿病・痛風・メタボリックシンドロームといった生活習慣や体質によって起こる慢性疾患のことをいいます。
自覚症状が無いことが多く、気付かないうちに進行してしまい、がんや脳血管疾患、心臓病などのさまざまな重病を引き起こすリスクが高い恐ろしい病気です。

まずは、お食事内容や摂り方、運動習慣、喫煙やアルコールの習慣、睡眠時間、ストレスなど、さまざまな生活習慣やライフスタイルを見直しながら、改善をめざしていくことが大切です。
当院はRIZAP提携医療機関であり、ご希望があれば特別価格での入会が可能です。

生活習慣病の種類

高血圧

血圧とは、心臓から送り出される血液が、血管を通る際に血液壁に生じる圧力のことです。心臓が収縮して、血液を押し出した瞬間が最高血圧、収縮後に拡張したときが最低血圧で、高血圧とは、血管に強い圧力がかかっている状態を指します。
高血圧のほとんどが、発症の原因をはっきりと特定することができない本態性高血圧です。高血圧の約9割を占め、遺伝子要因や、不健康な食生活、運動不足、精神的ストレスなどがが複雑に絡み合って発症すると考えられています。
残りの1割程度は、腎臓や内分泌、血管系の疾患、神経の病気など、高血圧の原因が明らかなもので、二次性高血圧とよばれています。
なお、生活習慣病全般に言えますが、特有な自覚症状がないため深刻な状態となるまで気が付かないことが多く、血圧が高い状態が続くと、血管には常に強い力がかかった状態になり血管が硬くなりいずれ動脈硬化を引き起こし、脳卒中や心臓病などのリスクを高めます。合併症は症状が出てから治療しても何らかの障害が残る場合が多いので、日頃から血圧の管理を行い合併症を予防することが大切です。
当院では、院内での血圧測定に加え自宅での血圧測定値を記録していただき、治療の必要性やその効果を確認しています。
また、夜間血圧(睡眠中の血圧)が高いことが危険性を高めることが知られており、必要に応じて24時間血圧の測定を行い治療に生かしています。

脂質異常症(高脂血症)

血液中のコレステロールや中性脂肪が多い為に引き起こされる疾患です。高脂血症の主な原因は食生活(カロリー過多や偏食)や喫煙、運動不足、肥満、ストレスなどと密接な関わりがあると考えられています。
一般的には悪玉コレステロール(LDL-コレステロール)、トリグリセライドが高いことを言います。最近では、善玉コレステロール(HDL-コレステロール)が低いことも含めて脂質異常症と言われています。高脂血症自体では自覚症状はほとんど無いことが多いですが、増加した血液中の余分な脂質は、動脈の壁にくっついて血管を硬く狭くしていずれ動脈硬化を引き起こします。それにより心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患を引き起こす可能性がある病気です。

当院では、動脈硬化を促進する因子を総合的に評価し、脂質管理目標値を設定した上で治療方針を決定します。
高脂血症は食事や運動などの生活習慣が深く関係しているため、治療の基本は食事療法と運動療法になります。この2つの治療法は長く続けていく必要がありますが、食事療法と運動療法で脂質が改善しない時や、すでに動脈硬化による心筋梗塞、脳梗塞などの発作を起こしている場合などは薬物療法が行われます。

糖尿病

日本人の40歳以上の3人に1人が予備軍といわれる糖尿病は、インスリンの分泌や働きが低下することで、血液中のブドウ糖(血糖)が増え、高血糖の状態が続き、それが原因でさまざまな合併症を引き起こします。膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、血液中のブドウ糖を細胞の中に取り入れる役割を果たしていますが、このインスリンの量が不足したり、働きが悪くなったりすると、ブドウ糖が細胞内に取り込まれなくなり、血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなってしまいます。

多くの場合、初期には自覚症状はほとんどありませんが、進行すると、喉の渇き、多尿、頻尿、倦怠感、体重減少といった症状が現れます。また、網膜症(視力低下、失明)、腎症(腎不全、人工透析)、神経障害(手足のしびれ)などさまざまな合併症の原因となり、重度の場合には昏睡状態(糖尿病性アシドージス)に陥り生命に危険が及ぶ事もあります。

1型糖尿病

1型糖尿病は自己免疫疾患やウイルスなどが原因と推測されていますが、膵臓のインスリンを分泌する細胞が破壊されることによりインスリンが分泌されなくなり糖尿病を発症します。

2型糖尿病

2型糖尿病は、インスリン分泌量が少なかったり、インスリンの働きが悪くなるために起こますが、加齢と遺伝的要因の他、食生活や運動など生活習慣が関係している場合が多いです。日本の糖尿病のほとんどが2型糖尿病です。

治療は食事、運動、薬物があります。薬物治療は内服治療のほか、必要な場合にはインスリンの導入も行っています。

痛風(高尿酸血症)

もともとの遺伝的要素と後天的な生活環境、特にプリン体を含む食品の過剰摂取やアルコール摂取などが複雑に組み合わさっており、尿酸の産生と排泄のバランスが崩れることで高尿酸血症を引き起こします。代表的な合併症状が痛風で、約1割に発症し、腕や脚などの関節に尿酸結晶が溜まってしまうことにより炎症を引き起こします。特に足の親指によく起こり、突然赤く腫れて痛み出し、一晩で激痛により歩けなくなり、1週間くらいで自然に治ってしまうという経過をたどります。痛風発作が治っても高尿酸の状態自体を治療しなければ、発作は頻回に起きてしまいます。

ただ、高尿酸血症があってもすぐに痛風発作が起きるわけではなく、無症状で経過することもあります。診断の基本は、採血による血中尿酸値測定で行います。治療は食事療法と内服が基本になります。

尿酸産生が増加する原因

  • 激しい運動
  • 飲みすぎ食べ過ぎ(特にビール)
  • 魚介類・内臓・干物などの高プリン体食品
  • ストレス など

尿酸排泄が低下する原因

  • 肥満(腎機能低下)
  • 水分不足
  • 飲酒 など