先天性股関節脱臼とは|原因や症状、検査、治療法

先天性股関節脱臼とは?

出産前や出産後に股関節が脱臼を起こしてしまった状態で、男児よりも女児に発症が見られる傾向があります。

発達が不十分な状態の関節が、抱き方やおむつの履かせ方など日々の生活の影響を受けて徐々に脱臼することが多いため、最近は「発育性股関節形成不全」と呼ばれるようになってきている。症状が悪化すると元に戻らない変形性股関節へと進行する可能性があるので注意が必要です。

先天性股関節脱臼の原因は?

遺伝的な原因で股関節の発達が悪い状態の子供に、股関節に負担をかける抱っこの方法やおむつの履かせ方を長期間行うことで徐々に脱臼していくと考えられています。

現在はおむつの改良や、正しい抱っこの仕方が浸透したことにより発症率は1000人に対して1〜3人程度です。

先天性股関節脱臼で現れる症状は?

左右の脚の長さが異なる、股関節が十分に開かない、歩き方がおかしいなど、などの症状が現れます。

痛むことはありませんが、おむつ替えの時に脚が開きにくかったり、1人で歩くようになった頃に歩き方がおかしいなど親や周囲の大人が気づくことが多いです。

先天性股関節脱臼の検査方法は?

生後3〜4ヶ月頃の乳児検診において、脚の動きや長さの左右差、太もものしわ、お尻の形などを視診にて確認して、股関節と脚を動かすクリックテストを行い診断を行います。

視診やクリックテストでも判断が難しい場合は、股関節のレントゲン検査を行い判断することもあります。

先天性股関節脱臼の治療方法

リーメンビューゲルと呼ばれる専用の装具を使用して股関節を常に90度以上曲げた状態に保つことで、ほとんどの場合は改善します。

それでもよくならない場合は、機械で脚を引っ張る牽引治療や、股関節の臼蓋を深くして再発を予防する手術を行うことがあります。

先天性股関節脱臼の予防方法は?

脚が自由に曲げることができずに強制的に伸ばされている状態が長く続くと股関節が脱臼しやすなります。

締め付けの強い洋服を着用を避けて、通常の紙おむつを適切に装着し、「コアラ抱っこ」と呼ばれる正面で向き合う形で抱っこしてあげることで股関節の脱臼を予防しましょう。