猩紅熱とは|原因や症状、病院へ行く目安

猩紅熱とは?

猩紅熱とは、A群β溶血性連鎖球菌という細菌によって起こる感染症です。いわゆる「溶連菌感染症」の一種で、最近は猩紅熱ではなく溶連菌と呼ばれることの方が多くなっています。

昔は死亡率が高かったことから「法定伝染病」に指定されていましたが、現在は抗生物質での治療が可能になり、一般的な感染症として扱われています。

猩紅熱にかかる原因は?

猩紅熱の原因である溶連菌は、ごくありふれた細菌なので、幼稚園や保育園、小学校などで集団生活を送っている子供は、咳やくしゃみなどの飛沫感染によってうつりやすい傾向があります。
大人でも免疫力が低下しているときや妊娠中は、感染する可能性が高くなります。

猩紅熱の症状は?

猩紅熱にかかると、さまざまな症状が現れます。まず喉に強い痛みが出て、同時に以下のような症状を伴うこともあります。

● 38〜39度の高熱
● 頭痛や腹痛
● 悪寒
● 吐き気や嘔吐
● 筋肉痛や関節痛

さらにその後、首や胸あたりからかゆみを伴う赤い発疹が現れて全身に広がります。また、発症直後に舌が白いコケで覆われたような状態になり、3~4日すると赤いぶつぶつ(いちご舌)の症状が現れます。

症状が治ってから数週間後に、脇や指先の皮がポロポロと剥けてくることもあります。

猩紅熱で病院へ行く目安は?

猩紅熱は感染力が強い病気なので、猩紅熱と疑われる症状が出たら早めに病院を受診しましょう。初期症状では一般的な風邪と区別がつきにくいため、かゆみを伴う発疹が出ていないかをよく確認するようにしてください。

病院では、咽頭の迅速検査などを行って猩紅熱かどうかを診断します。

猩紅熱の治療方法は?

猩紅熱の治療では、抗生物質が処方されます。抗菌薬を正しく服用すれば、24時間以内に感染力がなくなり症状は回復していきます。

一般的には、抗生物質は7〜10日分処方されます。溶連菌が体から完全に取り除かれる前に薬を飲むのをやめてしまうと再発の恐れがあるため、症状が改善しても医師の指示通り最後まで飲み切ってください。

猩紅熱の自宅でのケア方法は?

喉の痛みがひどいときは、喉のまわりを冷やしたり、うがいをしたりしましょう。発疹のかゆみは、冷やすことで和らげることができます。食事は消化が良いものを食べるようにしてください。

溶連菌は唾液を介して感染することもあるため、感染した家族の食べ残しを食べることはやめましょう。また、感染が広がらないように、同じタオルや食器の共用は避けてください。