子供がやけどをした!応急処置や病院受診の判断はどうすればいい?

子供がやけどをしたときの応急処置は?


真っ先に、やけどした部分を10分以上流水で冷やしましょう。服の上から熱湯がかかるなどして患部に服が触れている場合、皮膚と服がくっついて無理に脱がせようとすると皮膚がはがれてしまうことがあります。そのため、まずは服の上から患部を流水で冷やし、無理に脱がせないようにしましょう。

水ぶくれ(水疱)ができている場合も流水で冷やし、水疱を破らないように気をつけましょう。

子供がやけどをしたとき病院へ行く判断基準は?

しばらく様子を見る

やけどの範囲が子供の手のひらよりも小さく、水ぶくれがない場合は、しばらく様子を見て翌日の診療時間内に受診するようにしましょう。

病院へ行く

以下のような場合は、すぐに病院を受診しましょう。夜間や休日であれば、救急病院や往診サービスを利用してください。

● やけどの範囲が子供の手のひらよりも大きい
● 顔をやけどした
● やけどで水ぶくれができている
● ぐったりしている
● 出血して、顔色が悪い
● 呼びかけても意識がない

全身をやけどした場合は、すぐに救急車を呼んでください。

子供のやけどが重症かどうかの目安は?

やけどの重症度はやけどの「深さ」と「広さ」によって決まります。

やけどの深さについて

やけどの深さは1度〜3度までの3段階です。
● 1度
皮膚表面のみやけどした場合で、症状として赤くヒリヒリしますが、跡が残ることはなく治ります。日焼けも1度に分類されます。

● 2度
強い痛みとともに、皮膚に水疱ができるやけどで、跡が残ったり白く色が抜けることがあります。水疱が破れると感染を起こしやすいため注意が必要です。やけどをした皮膚の深さで、浅達性2度と深達性2度にわけられます。

● 3度
皮膚より下の組織まで届いている状態のやけどです。血管や神経も損傷している場合は、治っても感覚がなくなるなど完全に元通りにはならないことがあります。

やけどの広さについて

子供は全身の10%以上の皮膚がやけどを負った場合には重症と判断します。

やけどを負った本人の手のひらが全身の1%だと仮定して、やけどした範囲が手のひら10個以上の場合には急いで病院へ行きましょう。

子供のやけどの治療法は?

やけどの治療法は、その重症度によって下記のように違います。

1度:軟膏やクリームで対処(乾燥を予防する)
浅逹性2度:感染を予防するために洗浄、軟膏で治療
深達性2度、3度:皮膚組織は治らないので、範囲の広さによっては皮膚移植や切除を検討

1度や浅逹性2度のやけどの場合、表皮のもとになる細胞がまだ残っているため、表皮の再生が期待できることがほとんどです。そのため、やけどの部分が乾かないように軟膏などを使って湿潤療法を行います。

大きな水ぶくれができて放置すると破れそうなときは、清潔な針を使って水ぶくれを破り、塗り薬や内服の抗生物質を使うこともあります。

深達性2度や3度のやけどのでは、表皮のもととなる細胞が減っていたり、皮膚が死んだりしているため、やけど部分に皮膚移植をする、切除する、といった治療が行われることがほとんどです。

子供がやけどをしたときに薬を塗ってもいいの?

薬を塗ることでやけどの症状が悪化する可能性もあるので、自己判断での使用は控えましょう。

子供がやけどをしたら跡が残るの?

上記3段階の「1度」と「浅逹性2度」のやけどは、1〜2週間程度で治ることがほとんどです。また、基本的に跡が残ることはありません。

「深達性2度」と「3度」のやけどでは、治療に1ヶ月以上必要で傷が残ることもあるので注意が必要です。

やけどの跡が気になる場合は、副腎皮質ステロイドの軟膏やテープなど少しでも跡を目立たせないようにする方法もあるので専門医に相談しましょう。