子供が突然嘔吐したときの原因と対処法は?病院に行く目安は?

子供の嘔吐の特徴は?


子供は体の機能が未発達のため、ちょっとしたことがきっかけで吐いてしまうことがあります。

赤ちゃんの場合、胃の形状が大人に比べて縦型でフタのない「とっくり」に似た形をしているため、母乳やミルクを飲んだ後に吐くことも珍しくありません。幼児期になると、勢いよく食べてご飯が詰まった、いつもより食べすぎた、食後すぐに激しく動いた、といった理由で吐くこともあります。

上記のような状況で嘔吐をしたときはそれほど心配はいりませんが、病気が原因で嘔吐をした場合は注意が必要です。そのため、嘔吐をする前にどのような行動をしていたか、何を飲んだり食べたりしていたか、嘔吐以外の症状は出ていないかなどをしっかり観察することが大切です。

子供が嘔吐したとき疑われる病気は?

子供の嘔吐の原因が病気の場合、ウイルスや細菌による感染症によることが多く、下痢や発熱などの症状を伴うことがほとんどです。また、感染症以外の病気が原因で嘔吐していることもるので、下記を参考にどのような症状が出ているか様子をしっかり観察しましょう。

細菌性食中毒

細菌性食中毒は5〜8ヶ月に多発する病気で、黄色ブドウ球菌、病原大腸菌、サルモネラ菌など様々な種類の菌が原因となって発症します。嘔吐・腹痛・下痢といった症状が短時間で生じますが、黄色ブドウ球菌の場合は発熱はなく、それ以外の原因菌では発熱を伴い血便が見られることが特徴です。

ノロウイルス

秋から冬にかけて幅広い年代に感染するウイルスです。嘔吐・腹痛・下痢が主な症状ですが、38度以上の高熱が出ることもあります。感染力が非常に強く、嘔吐物中にもウイルスが含まれるので、2次感染を生じないように注意が必要です。

ロタウイルス

感染力の強いウイルスで、5歳までにほとんどの子供が感染するといわれています。主な症状は嘔吐・腹痛・水っぽい下痢・発熱で、感染者の便の色が白色や黄色っぽい色になることが特徴です。

一度感染すると免疫ができるため、大人が感染した場合は軽症なことが多いウイルスです。

腸管アデノウイルス

1日年中感染する可能性がありますが、特に夏場に感染のピークを迎えるウイルスです。主な症状は嘔吐・腹痛・下痢・発熱ですが、目立った症状が出ないこともあります。乳幼児が感染した場合は重症化することもあるので注意が必要です。

自家中毒(周期性嘔吐症/アセトン血性嘔吐症)

ウイルスや細菌ではありませんが、代謝機能の発達が弱い2~10歳の子供に生じやすい病気です。体内で脂肪を分解して作られるケトン体が過剰に作られ一種の中毒症状を起こすことで嘔吐します。

子供が嘔吐したときに病院へ行く目安は?

子供が嘔吐したときは、そのまましばらく様子を見ていい場合と、すぐに病院へ行った方がいい場合があります。

しばらく様子を見る

嘔吐以外にどんな症状が出ているのかをチェックし、嘔吐以外に明らかな症状がないときはしばらく様子を見ましょう。

下痢や発熱をともなっていても、いつも通り元気があって水分補給ができているのであれば、通常の診療時間を待って病院を受診してください。

病院へ行く

以下のような症状がみられるときは、すぐに病院を受診しましょう。夜間や休日であれば、救急病院や往診サービスを利用してください。

● 1日以上嘔吐が続いている
● おしっこが出ておらず、汗もかかない
● 水分補給ができず、口の中が乾いている
● 便に血が混ざっている
● 顔色が悪く、呼吸が苦しそう
● 元気がなく、ぐったりしている
● 生後3ヶ月未満で嘔吐を繰り返し、38度以上の発熱をしている

子供が嘔吐したときの対処法は?

感染症が原因で嘔吐をした場合、基本的にはウイルスや細菌が体から外に出ていくのを待つしかありません。体がウイルスや細菌と戦うことをサポートしてあげましょう。

水分補給をする

嘔吐や下痢が続くと、体内の水分が不足して脱水症状になることがあります。脱水症状を防ぐために、常温の経口補水液やイオン飲料水などを飲ませて、こまめに水分補給をしましょう。

ただし、嘔吐した後すぐの水分補給は吐き戻してしまうこともあるので、嘔吐から30分程度は様子を見てから飲ませてください。

食事は消化のよいものを

嘔吐しているときは、食事を無理に取らなくても問題ありません。何か口にできるのであれば、消化のよいうどんやおかゆ、バナナなどを食べさせましょう。

いきなり脂肪分の多い肉や魚を食べると、吐き戻してしまうことがあるので注意が必要です。

感染予防を徹底する

嘔吐物や便のついた衣類やおむつを処理した後は、しっかり手洗いをしてください。嘔吐物や便がついた衣類・タオルは、熱湯で消毒してから洗濯しましょう。

吐き気止めは自己判断で使用しない

吐き気止めを服用すると体内から原因のウイルスを排出することを妨げることになるので、自己判断で使用するのはやめてください。

子供の嘔吐の予防法は?

嘔吐の原因が感染症の場合、細菌やウイルスが口から体内に入ることで感染します。手洗い・うがいをこまめに行い、食べ物は十分に加熱することで予防を徹底しましょう。