ロタウイルスとは|症状や検査方法、治療、感染経路

ロタウイルスとは?

ロタウイルスは0〜5歳の子供が感染しやすく、5歳になるまでにほとんどの子供が感染しているといわれているほど感染力の強いウイルスです。

乳幼児が初めてロタウイルスに感染した場合は特に強い症状が出ることが多いため注意が必要です。

ロタウイルスの感染経路は?

ロタウイルスは主に糞口感染が原因で感染します。トイレの後や排便を処理したあと手指の消毒が不十分な場合に、手に付いた糞便中のウイルスが体内に入ることで感染が広がります。

ロタウイルスに感染したときの症状は?

子供がロタウイルスに感染すると、腹痛、水っぽい下痢、吐き気、嘔吐、発熱などの症状が見られ、便の色が白色や黄色っぽい色になることが特徴です。

症状がひどい場合は合併症として、けいれん、肝機能異常、急性腎不全や脳炎などを引き起こし、最悪の場合は死に至る可能性があります。

一方、大人は過去感染していることでロタウイルスに対して免疫を持っている場合が多く、感染したとしても目立った症状がでることはほとんどありません。

ロタウイルスの検査方法は?

ロタウイルスの感染について検査方法はいくつかあります。

嘔吐や下痢などの症状が出ている場合や便が白色や黄色っぽい場合は、一度小児科もしくは内科を受診して検査を行いましょう。

迅速診断検査(イムノクロマト法)

患者の便と検査キットを用いて検査する方法で、検査精度が完璧ではないものの15分程度で検査結果がわかるため、病院で主に使用されています。費用も保険適応の場合は1000円程度で受けることが可能ですよ。

検査キットによっては、ロタウイルスだけではなく、同様の症状を引き起こすノロウイルスの感染を調べることのできるものもあります。

その他の方法

検査キットによる迅速診断検査以外にもいくつかありますが、主に食中毒の集団発生が生じたときの原因を調査する場合に行政機関や学術機関により行われます。

● ELISA法
● RNA抽出
● PAGEによるウイルスRNAの検出
● マルチプレックスPCR
● RT-PCR
● シークエンス解析
● ウイルス分離・培養法

ロタウイルスの治療方法は?

ロタウイルスに対する治療薬は存在していないため、ロタウイルス感染している場合は下痢や嘔吐などの症状を緩和させるため対症療法を行います。

水分補給を行う

ロタウイルスに感染すると下痢や嘔吐を繰り返し脱水症状になりやすいため、こまめに水分補給を行うことで脱水症状を予防しましょう。

飲みものは刺激の強い炭酸ジュースやよく冷えたものではなく、常温のできれば塩分と水分を同時に摂取することができる経口補水液などがおすすめです。

体をきれいにする

嘔吐や下痢が続くとお尻がかぶれやすく、ロタウイルスは糞便中にウイルスが含まれているので、トイレの後は感染を広げないようにきれいにすることが大切です。

また、嘔吐や下痢をしている時は口の中が乾燥しやすく炎症が生じやすい状態でもあるので、食事の後は口の中もきれいにしましょう。

安静にする

嘔吐や下痢が続くと非常に体力を消耗してしまうため、できるだけ静かな部屋で横になり安静にしてください。

横になると吐き気がする場合は、クッションや布団を丸めたものにもたれかかるようにして安静にすると良いでしょう。

ロタウイルスの予防法は?

ロタウイルスは感染力が強く、家族間で感染がひろがる可能性が非常に高い病気です。家族間で感染を広げないためにも、家族がノロウイルスにかかった場合は次のことを行いましょう。

こまめに手洗いうがいを行う

手についたウイルスが体内に入ることで感染することが多いため、日々外出をした際やトイレの後などは必ず手洗いうがいを行うようにしましょう。

家具やリネンは消毒液で消毒する

子供が感染した場合のおむつを捨てる際や、家具やリネン類を消毒する際には、次亜塩素酸ナトリウムを含んだ消毒液を使うことで感染を予防することができます。