白血病とは|原因や症状、感染経路、検査、治療法

白血病とは?

白血病は血液のがんです。正常な人の骨髄では赤血球、白血球、血小板と3つの血球が作られますが、白血病の患者の骨髄では正常な3つの血球ではなく、白血病細胞と呼ばれるがん細胞だけが、血液や骨髄中に増えてしまうことで免疫力の低下や血圧の低下、呼吸器症状などの全身症状が現れます。

白血病はがん化した細胞のタイプから「骨髄性」と「リンパ性」に、病期の進行パターンや症状から「急性」と「慢性」と次の4タイプに分類されます。

● 急性骨髄性白血病
● 急性リンパ性白血病
● 慢性骨髄性白血病
● 慢性リンパ性白血病

白血病の原因は?

赤血球、白血球、血小板の元になる細胞が何らかの原因で遺伝子異常を引き起こすことで、白血病細胞へと変異すると言われていますが、詳しい原因は未だに特定されてはいません。

唯一、成人T細胞白血病に関しては、HTLV-1ウイルスが母乳や血液を介して感染することがわかっています。

白血病で現れる症状は?

正常な赤血球、血小板、白血球の数が減少するため、息切れ、倦怠感、血が止まりにくい、アザができやすい、貧血、感染症にかかりやすいなどの症状と、異常な白血病細胞が全身の臓器に運ばれていくことで、関節痛、腹部の腫れ、リンパ節の腫れなどの全身症状が見られます。

急性白血病の場合は症状が急激に悪くなっていきますが、慢性白血病の場合はゆっくりと症状が現れるため、自覚症状がないことがあります。

いつもと違う症状が現れている場合や、健康診断で指摘された場合は一度かかりつけの病院で検査を行うようにしましょう。

白血病の検査方法は?

まずは血液検査を行い、顕微鏡で血液中の異常な白血病細胞を確認します。その後、脊髄液を採取して、採取した白血病細胞の染色体から白血病のタイプを特定します。

白血病は全身へとがん細胞が広がる可能性があるので、超音波検査やCT検査を行い、脳や肝臓など他の臓器へとがん細胞が転移していないかを確認することがあります。

白血病の治療方法

薬物療法で白血病は治療を行います。がん細胞を直接殺す抗がん剤や、特定の細胞を選択して殺す分子標的薬など様々な薬がありますが、白血病のタイプや年齢、症状、重症度、患者の希望など総合的に判断して使用する薬の種類を決められます。

薬を使用した治療で効果が出ない場合は、正常な造血幹細胞を移植するという方法を行いますが、重度の感染症や、拒絶反応などの合併症が起きる可能性があるため、十分に医師と相談するようにしましょう。

白血病の予防方法は?

白血病の発症を予防することができるのは成人T細胞白血病だけで、発生率が高い地域では妊婦健診や母子感染を予防するための対策が行われています。

それ以外の白血病を予防するためには、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠時間を確保するなど、規則正しい生活をおくるようにしましょう。