カンピロバクター腸炎とは|原因や症状、感染経路、検査、治療法

カンピロバクター腸炎とは?

カンピロバクター属の細菌が、食品や水を介して人に消化管に感染することで、下痢などの胃腸炎症状を引き起こす病気です。市販されている鶏肉が感染している確率は高く、飲食店や野外キャンプで生焼けの鶏肉を摂取することで感染が広がりやすい傾向があります。

カンピロバクター腸炎の感染経路は?

カンピロバクター属の細菌は牛、羊、豚、鶏などの家畜や野鳥、野生動物の消化管に存在しており、レバー刺しなどの生肉の摂取や、加熱が不十分な鶏肉などの肉類を食べることで感染することが報告されています。

また、調理前の手洗いが不十分、調理器具の洗浄や乾燥が不十分な場合は感染が広がりやすいので注意が必要です。

カンピロバクター腸炎で現れる症状は?

下痢や腹痛、吐き気や嘔吐などの胃腸炎症状のほか、発熱や頭痛、倦怠感などが生じることがあります。抵抗力が低下している人に感染すると重症化して脱水症状や
敗血症、髄膜炎などの合併症や、全身に麻痺が広がったり、呼吸困難に陥ることもある神経疾患のギラン・バレー症候群を発症することもあるので、胃腸炎の症状が2~3日以上続く場合は、一度病院を受診するようにしましょう。

カンピロバクター腸炎の検査方法は?

症状が出るまでの食事の内容や渡航歴など、カンピロバクターに感染した可能性や、受診時までの症状を詳しく聞いた上で、便中からカンピロバクターが検出できるかどうかを検査します。

カンピロバクター腸炎の治療方法

一般的には治療を行わなくても1週間程度で症状は治まるため、症状を緩和させる対症療法を行います。市販の下痢止めを使用すると体内からカンピロバクターの排出を妨げることになるので、使用を控えるようにしましょう。

高熱や、出血を伴った下痢、脱水症状が見られる場合は、点滴や抗菌薬を用いた治療を行うことがあります。

カンピロバクター腸炎の自宅でのケア方法

カンピロバクターに感染すると下痢を繰り返すため、脱水症状を防ぐためにもこまめに水分補給を行うようにしましょう。塩分と水分を同時に摂取することができる経口補水液などがおすすめです。

カンピロバクター腸炎の予防方法は?

鶏肉やレバー差しなど肉類を食べる際には生食を避け、十分に加熱したものを食べるようにしましょう。

また鶏肉を調理したまな板や包丁などの調理器具はしっかりと加熱殺菌し、十分に手洗いを行い手指についたカンピロバクターによる感染を広げないように注意しましょう。