胆道閉鎖症とは|原因や症状、検査、治療法、生存率

胆道閉鎖症とは?

体内で脂肪の消化吸収を助ける「胆汁」は肝臓で作られて胆嚢(たんのう)に一度貯められた後、食事をした時に胆嚢から胆管を通って十二指腸へと分泌されます。

胆嚢閉鎖症はこの胆管が何らかの原因で形成されずに、胆汁が十二指腸へと分泌されなくなることで、胆嚢に溜まり続けて黄疸を引き起こす病気です。

1万人に1人の割合で発症し、男女比ではおよそ「男:女=0.6:1」の割合で女の子のほうが発症しやすいと言われています。

胆道閉鎖症の原因は?

母親の胎内で胆管が作られる際にウイルス感染など何らかの原因で炎症を起こし、閉鎖するのではないかという説もありますが、発症するメカニズムは解明されていません。

胆道閉鎖症で現れる症状は?

胆道閉鎖症に特徴的な症状としては、黄疸と便の色があります。赤ちゃんに以下の様な症状が認められる場合は、すぐに病院へ行きましょう。

黄疸

生成された胆汁が分泌されずに体内に溜まっていくので、胆汁に含まれるビリルビンという黄色い色素により赤ちゃんの皮膚や白目が黄色くなります。

新生児期の赤ちゃんは2週間程度で治まる生理的な黄疸を発症することが多いですが、胆道閉鎖症の場合は2週間以上黄疸が消えないことが多いです。

便や尿の色

便の色がクリーム色やレモン色、灰白色になったり、尿がウーロン茶のような褐色になることがあります。

母子健康手帳には、便の色を見分けるための「便色カード」がついているので、便の色を見分けるためにぜひ活用してみてください。

胆道閉鎖症の検査方法は?

血液検査や尿検査、超音波検査、十二指腸液検査、肝胆道シンチグラムなどを必要に応じて組み合わせて行います。

十二指腸液検査は、十二指腸へと細いチューブを入れることで、十二指腸液を採取して胆汁があるかどうかを調べるものです。

また、肝胆道シンチグラムは、胆汁中の放射性活性物質を使用して、胆汁が十二指腸に分泌されているかどうか調べるものです。

胆道閉鎖症の治療方法

胆嚢と腸管をつなぐ手術や、肝臓と腸管をつなぐ手術が一般的に行われます。 手術をしても黄疸が改善しない場合や、肝臓の機能が低下した状態が続く場合には、肝臓移植を行うことがあります。

術後に、胆管炎や門脈亢進症などの合併症が起こることがあるので、定期的に通院を行う必要があります。

胆道閉鎖症の生存率は?

胆道閉鎖症で、肝臓を腸をつなぐ手術を行った場合に、20年生存する確率は手術をするタイミングによって変わります。

生後60日以内に手術をした場合は43%、151日以降は0%と早期に手術を行う必要があるため、黄疸や便、尿の色が少しでもおかしい場合はすぐに病院を受診するようにしましょう。

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