子どもが胃腸炎になった時の食事|原因や症状、病院へ行く目安、対処法

子どもの胃腸炎の原因は?

ウイルス性胃腸炎

子どもの胃腸炎を引き起こす原因としてもっとも多いのは、ロタウイルスやノロウイルスなどに感染するウイルス性胃腸炎です。

経口感染で感染が広がり、吐瀉物や便とともに排出されたウイルスが指などを介して食物と一緒に体内に入って感染する場合と、ウイルスに汚染された食材を加熱不十分で食べて感染する場合があります。

細菌性胃腸炎

食中毒とも呼ばれる細菌性胃腸炎は、細菌が増殖した食物や加熱が不十分の卵や肉などを食べることで感染します。

その他

薬の副作用やアレルギーでも胃腸炎を引き起こすこともあります。

子どもの胃腸炎の症状は?

おもな症状は嘔吐や下痢、発熱ですが、血便などの症状が見られることもあります。症状は5〜8日ほど続きますが、嘔吐は数日で治まることが多いです。

ウイルス性胃腸炎

2〜3日の潜伏期間を経て、発熱や嘔吐、下痢の症状が現れます。

細菌性胃腸炎

半日〜3日の潜伏時期を経て、発熱や嘔吐、下痢、そして腹痛を併発することが多く、血便も見られます。

子どもの胃腸炎で病院へ行く目安は?

しばらく様子を見る

子どもに嘔吐や下痢の症状が出ても、元気があって水分補給ができていれば、慌てずに様子を見ましょう。診療時間中に一度、病院を受診すると安心ですね。

すぐに病院へ行く

以下のような症状が見られる場合は、すぐに病院を受診しましょう。夜間や休日であれば、救急病院への受診や往診を利用するとよいでしょう。

● ぐったりしてる
● 呼吸が苦しそうで顔色も悪い
● 水分補給が十分できず、おしっこも出ていない
● 38.5度以上の発熱が見られる

1歳未満の赤ちゃんが白色の下痢をしているとき、生後3か月未満の赤ちゃんで38度以上の熱が出ているときは、すぐに病院を受診するようにしましょう。

子どもが胃腸炎のときの対処法は?

こまめな水分補給を

下痢が続くと脱水症状になることもあります。水分と塩分を同時に摂れる経口補水液などをこまめに補給しましょう。冷たい飲料は下痢を悪化させることもあるので、常温がおすすめです。

【自家製経口補水液の作り方】
1.砂糖40gと食塩3gを湯冷まし1Lに入れてよく溶かす
2.よくかき混ぜて飲みやすい温度まで冷まし、レモンやグレープフルーツなどの果汁を加える

食事について

子どもが胃腸炎のとき、食事は吐き気などの症状が落ち着き、食欲が戻ってから与えましょう。それまではとにかく脱水にならないよう、水分補給をしっかりおこないます。

子どもに食欲が戻ってきたら、みそ汁や野菜スープなど塩分のあるものや、おかゆやうどんなどでんぷん質を多く含み、食べやすいものを少しずつ、数回に分けて食べさせます。

脂っこいものや冷たいもの、砂糖を含むものは控えましょう。ただし乳児の場合、母乳やミルクはいつも通り与えて大丈夫です。

体を清潔にする

下痢がついたところをそのままにしておくと、かぶれの原因になります。便をしたあとは、温かいシャワーや座浴できれいに洗い、おしりをつねに清潔に保ちましょう。

市販の下痢止めや吐き気止めはむやみに使用しない

下痢や嘔吐は、ウイルスや細菌を排出するための生体防衛反応です。自己判断で薬を飲ませることは避け、病院を受診して医師の判断を仰ぎましょう。

家庭内での感染予防は?

子どもの嘔吐や下痢中にウイルスや細菌が含まれる可能性があるため、家庭内での感染拡大を防ぐためにも、汚物を処理する際は使い捨てのマスクや手袋を身につけ、飛び散っている箇所はペーパータオルなどで拭き取りましょう。

飛び散っていた箇所をハイターなどの塩素系消毒剤を200ppmに薄めた消毒液で拭くのも効果的です。拭き取った吐瀉物や汚物、消毒時に使用した手袋などはまとめてビニール袋に入れ、密閉して捨ててください。

こまめな手洗いやうがい習慣、十分に加熱した食事を摂って感染予防を徹底しましょう。

子どもが胃腸炎のときの登園のめどは?

厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」では、ウイルス性胃腸炎の場合の登園目安を「嘔吐、下痢等の症状が治まり、普段の食事がとれていること」と定めています。

嘔吐や下痢などの症状が完治していて、普通食が食べられるようになったら登園・登校してもよいでしょう。

症状が治まっても14日前後は便と一緒にウイルスが排出されるので、トイレ使用後は必ず手を洗うことを子どもに伝え、園や学校にも見守ってもらうようにしましょう。