子どもの溶連菌感染症|症状や検査、治療方法、感染経路

溶連菌感染症とは?

溶連菌感染症とは、A群β溶血性連鎖球菌という細菌によって起こる感染症で、感染者のくしゃみや唾液の飛沫によって、幼児や就学児の間で感染が広がりやすい病気ですが、菌が増殖した食品を食べることでも感染することもあります。

子どもから成人まで幅広い年代に感染する病気ですが、一般的には、4〜10歳の学童期に多く発症するとされています。

子どもの溶連菌感染症の症状

38度以上の発熱、喉の腫れで、頭痛や腹痛、倦怠感が主な症状で風邪に似ていますが、舌の表面に「イチゴ舌」と呼ばれる赤いぶつぶつが出ることが特徴です。

発熱から1〜2日後に、かゆみを伴う赤い発疹が全身に現れることがありますが、通常は1週間程度で発疹の増加は治まり、手足の皮膚がポロポロと剥けて皮膚はきれいな状態に戻ります。

ただし、治療をきちんと行わない場合は、「糸球体腎炎」や「リウマチ熱」などの合併症を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

子どもの溶連菌感染症の検査法

溶連菌感染症には、おもに3つの検査方法があります。

「溶連菌迅速診断キット」で検査

病院の受診で溶連菌感染症が疑われる場合は、「溶連菌迅速診断キット」を使って喉を綿棒でこすり、粘膜中の菌を採取して検査します。

咽頭培養検査

綿棒で喉の粘膜中の菌を採取した後に、細菌を培養して検査します。検査結果が出るまでに数日〜1週間ほどかかりますが、溶連菌だけでなくほかの細菌の感染状況も調べることが可能です。

血清抗体検査

リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの合併症を発症している場合は、溶連菌が発生する毒素や酵素に対する抗体の数値を計測することで感染を確認します。

子どもの溶連菌感染症検査を受けるタイミングは?

溶連菌感染症は重症な合併症を引き起こす可能性があるため、「イチゴ舌」など溶連菌感染症のような症状が現れたら、病院を受診して検査してもらいましょう。

「溶連菌迅速診断キット」を使った検査は往診でも可能ですので、不安な方は往診を利用することもおすすめです。

子どもの溶連菌感染症の治療

溶連菌感染症は、抗生物質を服用することで治療を行います。抗生物質を1〜2日服用すると熱が下がり、1週間以内に喉の痛みは治まります。

ただし、「糸球体腎炎」や「リウマチ熱」などの合併症は症状が出てから2週間ほど経ってから生じるため、処方された薬は必ず飲みきるようにしてください。

高熱で息苦しい、水分が十分に摂れないといった場合は、解熱剤を処方することもあります。

子どもが溶連菌に感染したときの対処法は?

水分補給をこまめに行う

発熱しているときは汗をかきやすく、脱水症状を防ぐためにもこまめに水分を補給するようにしましょう。

飲みものはできるだけ常温で、塩分と水分を同時に補給することができる経口補水液などがおすすめです。

喉を乾燥させない

乾燥した冷たい空気を吸い込むと喉の粘膜が刺激され、咳が出やすくなります。とくに空気が乾燥しやすい冬は、濡れタオルを部屋に吊したり、加湿器を使ってほどよい湿度を保ちましょう。

体を清潔に保つ

発熱するとたくさん汗をかくので、こまめに汗を拭くようにします。お風呂は体調がよければ場合は入浴してもかまいませんが、シャワーで汗を流す程度にしてください。

また、口の中も乾燥して炎症を起こしやすい状態なので、食事後は歯磨きやうがいで口の中もきれいにしましょう。

子どもの溶連菌感染症の予防法は?

溶連菌は感染すると、一定期間学校や保育園に登校・登園できなくなります。感染しないためにも、日々、睡眠や食事をしっかりとり、体調を整えて免疫力をつけておくことや、手洗いやうがいをこまめに行うことが大切です。

子どもが溶連菌に感染したときの登園のめどは?

溶連菌感染症は、学校保健安全法により「医師が認めるまで出席停止」と定められた伝染病です。

病院を受診した日から2〜3日程度は幼稚園や保育園への登園、学校への登校は控えたのちに、医師の判断をもとに出席を再開するようにしてください。