子供が耳の下を痛がるけど熱はない|考えられる病気や治療法

子供の耳の下が痛いとき考えられる原因の病気は?

子供が耳の下を痛がっているときは、以下の原因が考えられます。

反復性耳下腺炎

耳の下あたりにある「耳下腺」が炎症によって腫れることを「耳下腺炎」といい、耳下腺炎を何度も繰り返すようになると「反復性耳下腺炎」と診断されます。

3〜6歳頃に初めて発症する子供が多く、9歳頃になると自然と再発しなくなります。

はっきりとした原因はわかっていませんが、細菌やウイルスが口の中から耳下腺へと広がる、生まれつき耳下腺の形に異常がある、かみ合わせが悪い、アレルギー体質、自己免疫疾患などが原因ではないかと考えられています。

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)

ムンプスウイルスに感染することで耳の下にある「耳下腺」が炎症を起こし、顔がおたふくのお面のように腫れる病気です。

2〜9歳の子供がかかりやすく、春から夏にかけて流行します。耳の下が腫れる1〜2日前から、発熱や倦怠感、頭痛、腹痛などの症状が現れた後、片側もしくは両側の耳下腺が腫れます。

一度感染すると免疫を獲得するため、再発する可能性は低いといわれています。

子供が耳の下を痛がるけど熱がないときは?

子供が耳の下を痛がって腫れている場合、「反復性耳下腺炎」または「おたふく風邪」が疑われますが、熱がないときは反復性耳下腺炎であることがほとんどです。

● 反復性耳下腺炎:発熱しないことが多い
● おたふく風邪:発熱することが多い

ただし、反復性耳下腺炎でも稀に発熱の症状が出ることがあります。一方で、おたふく風邪にかかっても熱が出ないケースもあるため、病院を受診して診断してもらうようにしましょう。

子供が耳の下を痛がって熱がないとき病院へ行く目安は?

耳の下を痛がっているときは、痛む部分に何かがぶつかったなど明確な理由がない限り、すぐに病院を受診しましょう。

反復性耳下腺炎は命に関わることはありませんが、おたふく風邪の場合、難聴や髄膜炎、膵炎などの合併症を引き起こす可能性があるため、早めの診断と治療が大切です。

子供が耳の下を痛がって熱がないときの治療方法は?

「反復性耳下腺炎」または「おたふく風邪」と診断された場合は、それぞれ下記の方法で治療が行われます。

反復性耳下腺炎の治療法

反復性耳下腺炎のほとんどは、特に治療を行わなくても数日で自然に症状が回復します。痛みがひどい場合や細菌の感染が認められる場合は、痛み止めや抗菌薬を使用して治療を行います。

おたふく風邪の治療法

おたふく風邪に効果的な治療薬は現時点でないため、痛みや発熱を緩和させる対症療法を行い、症状が回復するのを待ちます。おたふく風邪はワクチンを接種することで、感染と感染した際の重症化を予防することができます。

子供が耳の下を痛がるけど熱がないときの自宅でのケア方法

耳の下の痛みがひどいときは、冷たいタオルを腫れた部分に当てて冷やしましょう。

腫れが痛むときや、口を開けたり噛んだりするときの痛みを伴い場合は、柔らかい食べ物やスープなどを少しずつ与えるとよいでしょう。

また、脱水症状を防ぐためにこまめに水分を摂取することが大切です。

子供が耳の下を痛がるけど熱がないときの注意点

反復性耳下腺炎は人にうつらないので出席停止にはならず、園や学校へも通えます。一方で、おたふく風邪と診断された場合は、発症から5日経って熱が下がらないと学校に行くことはできません。

また、おたふく風邪は潜伏期間が長く、飛沫感染や接触感染によってうつるので、反復性耳下腺炎かおたふく風邪か病院で診断してもらうまでは、念のため園や学校を休ませるようにしましょう。