母乳も乳児湿疹の原因になる? |病院へ行く目安や原因、対処法

病院へ行く目安

しばらく様子を見る

新生児期から乳児期にかけて、母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんの顔を中心にできる湿疹を乳児湿疹と呼びます。原因は皮脂の過剰分泌や乾燥などさまざまです。

まずは湿疹以外の症状が出ていないかを確認し、なければしばらく様子を見ます。
夜間にかゆみが出ていても、睡眠に支障がなければ翌日の診療時間内に病院を受診しましょう。

すぐに病院へ行く

以下のような症状があるときは、すぐに病院を受診しましょう。夜間や休日であれば、救急病院や往診を利用するとよいでしょう。

●全身に湿疹が出て、かゆみで眠れない
●痙攣やよだれが止まらない
●発熱や咳がでている
●呼吸が苦しそうで、ぐったりしている

乳児湿疹で考えられる原因は?

乳児脂漏性湿疹

生後2か月ぐらいまでの赤ちゃんは、母親から受け継いだホルモンの影響もあるため皮脂が盛んに分泌されています。

その皮脂が空気に触れて酸化し皮膚に炎症を起こし、顔や頭皮、眉毛などにニキビのような赤いブツブツが現れ、湿っぽく黄色い鱗のようなかさぶたへと変化し、最後にカサカサとしたフケのようになってはがれ落ちます。

皮脂欠乏性湿疹

生後3カ月ごろを過ぎると、今度は皮脂の分泌量が急減。空気の乾燥が追い打ちとなり、皮膚のバリア機能が弱くなり、湿疹ができたり、角質がはがれて皮膚が荒れ、白い粉をふいたようになったりします。皮膚の乾燥が進むと、ひび割れができて痛みやかゆみを伴うこともあります。

アトピー性皮膚炎

湿疹の症状がひどかったり、なかなか改善されないと「アトピー性皮膚炎では?」と考えがちですが、元来、乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は別のものです。

乳児湿疹は顔を中心に皮脂の分泌や皮膚乾燥が原因で湿疹が出るのに対し、アトピー性皮膚炎はアレルギーの原因となるアレルゲンや寒暖差などが炎症を引き起こし、全身に症状が出ます。

たとえ湿疹の状態がひどくても、1〜2歳まで経過を見ないと、それがアトピーになるかどうかもわかりません。

母乳と乳児湿疹の関係

母乳も乳児湿疹の原因になる?

授乳期に乳児湿疹が発症することから、湿疹の原因は母乳(=母親の食べたもの)にあるという説もありますが、母乳と乳児湿疹の関係については、まだはっきりと解明されておりません。

湿疹の症状があっても母乳を飲ませていい?

母乳は赤ちゃんの大事な栄養源です。乳児湿疹が出ていても、授乳をやめる必要はありません。気になるのであれば、授乳をやめるのではなく、食生活の見直しを検討してみましょう。

乳児湿疹の対処法は?

乳児湿疹のケアはしっかりと洗った後に保湿することで基本です。皮膚を清潔に保つことによってだいたい1歳までに治まりますが、症状が改善されずかえって悪化する場合は、アトピー性皮膚炎の可能性もあるため、一度病院を受診しましょう。

洗浄料や石けんはよく泡立てて使う

入浴の際は、低刺激の洗浄料やせっけんを使って皮脂を丁寧に落とすようにしましょう。しっかりと泡立て、泡で優しく洗ってあげると良いでしょう。

かさぶたは無理にはがさない

頭皮の黄色いかさぶたは、ほとんどの場合、毎日シャンプーで頭皮を洗うことで1〜2週間できれいになります。

なかなか取れないという場合は、入浴の1時間〜30分前にワセリンやベビーオイルなどでかさぶたをふやかしてからシャンプーすると取れやすくなります。爪で無理にはがすと皮膚に傷つけることがあるので、気になったとしても無理に剥がさないようにしましょう。