痛風とは|特徴や原因、症状、検査方法

痛風の特徴

痛風は尿酸が体の中にたまり、それが結晶化して炎症を引き起こすことで激しい関節痛を伴う病気です。関節痛は突然起こるので痛風発作と呼ばれることもあります。関節だけでなく腎臓にも尿酸の結晶ができ、腎機能低下の原因になります。痛風を発症するのは20歳以降の男性がほとんどです。痛風の血清尿酸値は遺伝と環境の両方が関係しています。

痛風の原因

痛風発作の原因は尿酸という体内に蓄積されている物質です。尿酸はプリン体と呼ばれる肉や魚に多く含まれている(ビールなど酒類には微量)物質から生成される。尿酸は尿で体外に排泄されますが、何らかのきっかけで上手く排泄されなかったり、摂取が過多になると、尿酸が過剰に蓄積されることによって尿酸値が高くなった状態(7.0mg/dl以上)になります。これを高尿酸血症と呼びます。その状態がさらに進み、尿酸が血中で溶けきれずに結晶化して炎症や発作が起きることが発症のメカニズムです。下記の方は高尿酸血症になりやすいと言われています。

  • 肥満
  • 高脂血症
  • 高血圧症
  • 耐糖能異常(糖尿病)
  • 腎機能の低下
  • 大量の飲酒

痛風の症状

典型的な痛風発作では激しい痛みが生じ、歩行困難になることが多いです。痛みが出る部位は、足の親指の付け根(MTP関節)が半数以上を占めますが、痛みは膝や足首に出ることもあります。また痛風発作が起こる少し前にはむずむずするような違和感が現れます。皮下に尿酸の塊から成る痛風結節が生じることがありますし、腎機能障害も起こりやすくなり、2割の痛風患者に尿路結石が合併するといわれています。

痛風の検査・診断

痛風の診断で最も重要なのは検査ではなく、症状の出現の仕方といった問診の内容や、診察の結果です。症状が典型的のため臨床症状で診断します。高尿酸血症があると痛風発作が起こりやすくなるため血液検査で値を確認します。

  • 血液検査で尿酸値が高いことを高尿酸血症と言う。
  • 目安として尿酸値が6mg/dl程度を超えると痛風発作が多くなる。
  • 尿酸値が正常の人でも、比較的頻度は低いが痛風発作は起こる。

痛風の治療法

治療は、痛み止めや炎症を抑える薬を使用しながら、自然に症状が良くなることを待ちます。病院によって受けられる治療が変わってくるということはありませんので、特別に専門的な医療機関を探して受診する必要はない病気です。一方で、痛風の原因となる高尿酸血症の治療に長期的に取り組む必要があります。

痛風発作の痛みと炎症を抑える薬

コルヒチン、NSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛薬)ステロイド薬などを服用して症状の改善を待ちます。薬の種類や量は症状などに合わせて調整します。

尿酸値を下げる治療は、痛みが治まってから始める。

原因とされる肥満や高脂血症、高血圧症、耐糖能異常などの生活習慣病の治療が予防に繋がります。規則正しい生活やバランスの良い食事、ウォーキングなどの有酸素運動を習慣付けることが大切です。食事に関しては、食事の質を改善することと食事量を適切にすることが必要となります。肉類や魚介類などは尿酸の元になるプリン体という物質を多く含む為、食べ過ぎに注意が必要ですが、食品によってプリン体の含有量は違うので、それぞれの食品の含有量を知った上で無理のないような食事制限を行うことが大切です。また野菜や果物などは尿酸の排泄を促進させる効果があります。その他としては、ストレスを溜めないために自分にあったストレス解消法を見つけることも大切です。