尿路結石症とは|特徴や原因、症状、検査方法

尿路結石症の特徴

尿路結石症とは尿路と呼ばれている腎杯、腎盂あるいは尿管や膀胱、尿道のいずれかに尿の成分が結石を作り、詰まっている状態です。尿路結石そのものはあっても普段は症状を起こしませんが、石が細い尿管部分に詰まると激しい腹痛を起こします。更に、滞留した尿が、水腎症や尿路感染症(腎盂腎炎)の原因となることがあるので注意が必要です。水分摂取が少なく排尿が少ない人で起こりやすいと考えられており、尿が濃縮されると起きやすく、特に夜中に水分を摂取できない状態が続く明け方に発症することが多いと言われています。石ができた部位により、腎結石、尿管結石、膀胱結石などとも呼ばれます。20代から60代の男性に多くみられますが、近年女性でも増加傾向にあります。

尿路結石症の原因

尿路結石症の原因は尿路の通過障害と尿路感染症、代謝異常や副甲状腺ホルモン異常などが誘因になると考えられています。結石の原因の多くはシュウ酸やリン酸などにカルシウムが付着したものが9割以上を占めます。食生活の欧米化も一因と考えられています。

尿路結石症の症状

尿路結石症の主な症状は背中や側腹部や腰部などに激痛が起き、性器や太ももにも痛みは走ります。激しい背部や下腹部の痛みに加え、吐き気やおう吐、冷や汗、顔面蒼白などを伴うケースもあります。残尿感や排尿時の不快感を感じる場合もあり、尿路感染症を合併すると、発熱などの症状が起こります。

尿路結石症の検査・診断

尿検査では、尿中の赤血球や白血球などの有無を調べます。
画像検査では以下の検査があります。

  • 腹部超音波検査
  • 腹部レントゲン検査
  • 腹部CT検査

腹部CT検査は尿路結石を見つけやすく、尿管の詰まっている部位や、結石のサイズ、炎症の有無などが分かります。

尿路結石症の治療法

痛みが強い場合は痛み止めを使いながら、水分を多く飲んで尿を多く作り、尿の勢いで自然に結石が体の外に出るのを待ちます。

  • NSAIDs(鎮痛薬)を内服
  • 水分摂取

結石のサイズが1cmよりも大きい場合や狭窄部位に位置して簡単には体外に出ないことが想定される場合には結石を砕く治療が必要となります。

  • 外部から結石に衝撃波を与えて結石を砕く治療(体外衝撃波結石破砕術)
  • 尿道から管を入れて結石を砕く内視鏡手術(経尿道的尿管結石砕石術)

尿路結石症が心配な方

再発や予防のために、ホウレン草やタケノコ、キャベツ、大根、お茶(緑茶、紅茶)などのシュウ酸を多く含むものはなるべく避けて、食べ過ぎないように注意します。生活習慣病の一つであるため普段の食生活でも、動物性脂肪の摂取をなるべく控えるようにし、バランスのよい食事を心がけましょう。