蜂窩織炎について

蜂窩織炎とは皮下組織で細菌が増殖して起こる旧性感染症です。皮膚に傷口がある方、免疫力が低下している方に起こりやすい病気です。症状は発熱や倦怠感、感染を起こしている皮膚の赤みや痛み、熱感などがあります。放置しておくと感染が広がり重症化することがあるため注意が必要です。 症状と血液検査、細菌検査などを踏まえて診断します。治療には抗菌薬を用います。

蜂窩織炎の特徴

皮膚の感染症の一種であり、「蜂巣炎(ほうそうえん)」とも呼ばれます。耳慣れない言葉ですが、実は身近な病気で、40~500人に1人は蜂窩織炎にかかるとされています。皮膚の下の蜂窩織と呼ばれる部位(真皮から脂肪織と呼ばれる、皮膚の表面を除いた部分)が細菌に感染し、炎症を起こす病気です。蜂窩とは「ハチの巣」 を示しており、感染を起こしている組織を顕微鏡で見ると蜂の巣状にみえることから名付けられたといわれています。

蜂窩織炎の原因

細菌感染が原因となります。

  • 傷口からの感染:擦り傷、切り傷、虫さされの搔き壊し
  • 皮膚が弱い状態:アトピー性皮膚炎、白癬(水虫)
  • 免疫力の低下した状態:糖尿病、抗がん剤治療中の方など
  • リンパ浮腫、過去にリンパ節を摘除された方

蜂窩織炎の症状

症状:最初は皮膚が赤く腫れて熱感を帯び、触ると痛みを伴います。進行すると、発熱、悪寒、関節痛、倦怠感などの全身症状が伴うことがあります。下肢(足のすねや甲の部分)に多く発症し、進行が早い場合は壊死性筋膜炎に進展することもあり注意が必要です。

  • 発熱
  • 倦怠感
  • 関節痛
  • 感染している部位が赤く腫れ、熱感や痛みを伴う
  • 感染がひどくなると膿が出たり、皮膚の潰瘍になることがある

蜂窩織炎の検査・診断

検査の内容は、医師が必要な検査を症状によって判断するため、受診する科や病院によっても違います。

  • 血液検査:炎症の程度(CRP、白血球)を調べる
  • 細菌検査:血液や、場合によっては膿などを培養して、原因の菌を調べる。

膿がない場合は培養で細菌を検出することは困難なことが多い

蜂窩織炎の治療法

蜂窩織炎は細菌が要因であるため、抗菌薬による薬物療法が必要になります。軽症の場合は通院で飲み薬による治療が可能ですが、重症化のリスクがある方や重症な場合は、入院での点滴治療が必要になります。治療期間の目安は5日間~14日間ですが、炎症の程度、治療を始める時期、原因菌、免疫力、回復力などによって異なります。症状が治った場合でも、細菌がまだ体の中には残っているため、決められた期間は薬をしっかりと服用し続けましょう。

蜂窩織炎(蜂巣炎)が心配な方

蜂窩織炎は皮膚に生じる感染症です。足や手に発症しやすいですが、傷口や虫の刺し口をきっかけに菌が入り込むと、皮膚のある場所ならばどこにでも生じる疾患です。蜂窩織炎の診断は特別な検査なしでも行えます。経過と診察結果で診断し、炎症の強さを調べる意味で血液検査を行うこともありますが、血液検査は診断のために必須なものではありません。皮膚が赤く熱をもって腫れている場合など、ご自身が蜂窩織炎でないかと心配になった時には、もしかかりつけの内科や皮膚科クリニックがあれば、まずは相談することをお勧めします。皮膚科の病気ではありますが、幅広く見られる一般的な感染症のため、内科でも診療が可能です。蜂窩織炎はクリニックでも大病院でも、検査の精度や治療方針には差が出ない病気の一つです。症状が辛い中、大病院で長時間待つよりは、クリニックで素早く診断をつけてもらい、自宅で安静にするのも一つの選択肢です。抗菌薬に治療と並行して、家庭で蜂窩織炎をケアする際には、安静にする、熱感と赤みは氷嚢で冷やす、患部を高くする、皮膚を清潔にするなど心掛けましょう。