ポリオ(急性灰白髄炎)とは|原因や症状、検査、治療法

ポリオとは?

ポックスウイルスに感染することで発症する感染症で、日本では「急性灰白髄炎」 と呼ばれます。

ポリオに感染すると、腸管内でポリオウイルスが増殖し、脊髄などの神経系にまで感染が広がると麻痺症状を引き起こすことがあり、特に小児に多く見られたため、「小児麻痺」とも呼ばれています。

日本ではポリオワクチンの定期接種が行われており、2000年以降はポリオの発生はありません。

ポリオの感染経路は?

感染者の咳やくしゃみの飛沫を直接吸い込むことで感染する飛沫感染や、飛沫が手についたまま鼻や口を触ることによる接触感染、便中に排出されたウイルスが手や食物を介して口から入ることで感染する糞口感染など様々な経路で感染が広がります。

ポリオで現れる症状は?

ポリオに感染しても90〜95%の感染者には何の症状も現れません。ただし、4〜8%の感染者には急性胃腸炎や風邪のような症状が、0.1%の感染者は手足に神経麻痺が生じる「小児麻痺」が見られます。

麻痺症状は発熱や下痢、吐き気などの胃腸炎症状の後、熱が下がり始めるタイミングから次第に筋力の低下や脱力が現れ、数日のうちに手足に麻痺が現れます。ポリオに感染して手足に麻痺が現れた人の約半数が後遺症が残るといわれています。

ポリオの検査方法は?

ウイルスが体内にいるかを確認するため、血液検査や咽頭粘膜、髄液、便中のウイルスを分離することでウイルスの有無を確認する検査を行います。

ポリオの治療方法は?

現時点でポリオを完全に治療する方法はありません。万が一発生した場合は、胃腸炎症状を抑える対症療法や、麻痺した部位のリハビリを行い、動く機能を最大限広げるようにします。

呼吸機能が麻痺している場合は、「NPPV」と呼ばれるマスクを利用した人工呼吸器を使用することがあります。

ポリオの予防方法は?

ポリオワクチンを接種することで感染を予防します。ポリオワクチンは定期接種の四種混合ワクチンに含まれており、生後3ヶ月〜7歳6ヶ月未満の期間に4回受ける必要があります。

定期接種は法律に従って自治体が実施しているので、無料で受けることができます。十分な抗体を作るためにも4回必ず受けるようにしましょう。

ポリオワクチンの接種後は、子供の糞便から長期間ウイルスが排出されるので、おむつを扱った後などは手洗い・うがい、消毒を行ってください。