赤ちゃんの誤飲|対処法や病院へ行く目安は?

赤ちゃんの誤飲とは?

一般的に「誤飲」とは、食べ物以外のものを誤って飲み込んでしまうことをいいます。赤ちゃんは興味のあるものを何でも口に入れてしまうため、少し目を離した隙に誤飲をしてしまうことがあります。

厚生労働省の調査によると、誤飲事故を起こした小児の月齢・年齢の割合は、生後6~11ヶ月が最も多く、次いで生後12~17ヶ月、生後18~23ヶ月、2歳、3~5歳となっています。

赤ちゃんが誤飲したときの対処法や注意点は?

赤ちゃんが誤飲したときは、何を誤飲したかによって対処方法が異なります。以下の項目内容に沿って対応をしましょう。

タバコ

1歳前後の赤ちゃんの誤飲の原因で一番多いのがタバコです。タバコや濡れたタバコ、タバコが溶けた水を誤飲した場合は、すぐに口の中からかきだしてください。タバコに含まれるニコチンは体内に吸収されやすく、タバコ1本分でも致死量に達するので注意が必要です。

飲み物を飲ませるとさらにニコチンが体内に吸収されやすくなるため、タバコを誤飲した場合は水分は摂らせず、すぐに病院を受診してください。

医薬品・医薬部外品

1歳頃になると薬のフタや包装を開けられるようになるため、注意が必要です。薬は、体重によって適応容量が決まっています。

赤ちゃんが適応容量以上の薬を飲むと障害が出る恐れもあるので、薬を誤飲したときは速やかに病院を受診しましょう。

プラスチック製品・玩具

ビニールやペットボトルの包装といったプラスチック製品の誤飲は、特に生後6~11ヶ月頃の赤ちゃんに多く見られます。

おはじきやビー玉のような小さなおもちゃの誤飲は3~5歳の子供に多いですが、兄姉が遊んでいるおもちゃを飲み込んでしまう赤ちゃんもいます。

誤飲したものを吐き出さない、咳き込む、呼吸が苦しそう、といった場合は、すぐに病院を受診しましょう。

金属製品・硬貨

アクセサリーやホッチキスの針、画びょうといった金属類を誤飲した場合は、速やかに病院を受診しましょう。X線検査を行い、数日後に便と一緒に排泄されているか確認します。

万が一腹痛が生じた場合は、鋭利な部分が腸を傷つけている可能性があるため手術を行うこともあります。

硬貨は丸くて縁が角ばっていないため、誤飲しても数日のうちにうんちとともに排出されることがほとんどです。

ボタン電池

ボタン電池が体内に入ると、胃液によって電池内の強アルカリ性の物質漏れ出して、症状がひどい場合は胃に穴が空いてしまいます。

ボタン電池を誤飲した場合は速やかに病院を受診し、できるだけ早く体外に取り出すようにしましょう。アルカリ電池よりリチウムイオン電池の方が、症状が早く進行します。

食品

赤ちゃんの口の直径よりも大きいお菓子や果物などを噛まずに飲み込んでしまうと、窒息するケースがあります。食品を食べて呼吸困難や苦しそうな症状が見られたら、まず吐き出させましょう。吐き出せない場合や症状が改善されない場合は、すぐに病院を受診してください。

また生後6ヶ月未満の赤ちゃんは、無理に吐き出させないでください。

洗剤・化粧品

洗剤やシャンプー、石鹸、化粧水や口紅などを誤飲したときは、まず水を飲ませてしばらく様子を見ます。漂白剤を誤飲した場合、牛乳アレルギーがなければ大量の牛乳を飲ませてください。嘔吐や呼吸困難といった様子が見られるときは、速やかに病院を受診しましょう。

赤ちゃんが誤飲したときの吐き出させ方は?

赤ちゃんが誤飲をして呼吸困難を生じているときは、背部叩打法で処置を行いましょう。

1歳未満の場合は、大人の片腕の上に赤ちゃん頭を低くうつ伏せの状態で乗せて、背中の真ん中を手のひらで連続して叩きます。

幼児の場合は、大人の立て膝の上に頭を低くしうつ伏せの状態で乗せて、背中の真ん中を手のひらで連続して叩きましょう。このとき、子供のみぞおちが大人の腿の上に来るようにすることがポイントです。

赤ちゃんが誤飲したときに病院へ行く目安は?

しばらく様子を見る

誤飲したものがシャンプーや口紅などの化粧品だった場合や、誤飲後にすぐに吐き出した場合は、しばらく様子をみます。

すぐに病院へ行く

赤ちゃんが誤飲をして以下のような症状がみられるときは、すぐに病院へ行きましょう。夜間や休日であれば救急病院や往診サービスを利用してください。

● 呼吸するのが苦しそう
● 顔面蒼白
● ぐったりしている
● けいれんしている
● 嘔吐・下痢・腹痛などが見られる
● 泣き声がかすれている

赤ちゃんが誤飲した場合にしてはいけないことは?

赤ちゃんが誤飲してしまったら、水や牛乳を飲ませたり、吐き出させたりするのが一般的な対処法ですが、誤飲したものによって、吐き出させてはいけないものや牛乳を飲ませてはいけないものがあります。

吐き出させていけないもの

生後6ヶ月未満の赤ちゃんが誤飲をしたときは吐き出させず、すぐに病院を受診してください。

また、生後6ヶ月以上であっても以下のようなものを誤飲した場合は、吐き出させず、救急車ですぐに病院へ行きましょう。

● 強酸性・強アルカリ性のもの (漂白剤など)
● 鋭利なもの(ホチキスの針、がびょうなど)
● 揮発性のもの(灯油、ライター、除光液)
● 花火
● 誤飲して意識障害やけいれんがある場合

牛乳を飲ませてはいけないもの

以下のものは油(脂)に溶けやすいため、誤飲しても牛乳は飲ませないでください。

● ねずみ駆除薬
● 農薬
● 殺虫剤
● 防虫剤

赤ちゃんの誤飲を予防するには?

赤ちゃんの誤飲を予防するために一番大切なのは、誤飲する可能性があるものを赤ちゃんの近くに置いたり触らせたりしないことです。

「誤飲チェッカー」を使って誤飲を防ぐのも一つの方法です。3歳の子供が口を開けたときの最大口径である直径39㎜に合わせてつくられていて、チェッカーの中に入る大きさの小物や食べ物は誤飲の可能性があるという目安になります。身近なものではトイレットペーパーの芯の直径が39mmなので、大きさの目安にすると良いでしょう。

参考記事
https://192abc.com/175157

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