寝てる時の咳|原因や病院へ行く目安、自宅でのケア方法

寝てる時の咳の原因は?

赤ちゃんや子供は夜寝ている時に咳をすることがよくあります。夜中に咳が出る原因としては、以下のことが考えられます。

● 副交感神経が活性化し、気管支が狭くなる
● 体温と室温(気温)の差により気管支粘膜が刺激される
● 鼻水や痰が喉に流れて粘膜が刺激される

夜間は、副交感神経が活発になります。副交感神経には緊張を和らげる働きがあるため、喉や気管支、鼻腔といった粘膜の緊張も緩ませて気管支の動きが鈍り、咳が出てしまうと考えられています。

また、寝ている間は鼻水が喉に流れやすいため、喉が刺激されて咳が出てしまう場合もありますが、咳が出ているだけで発熱などの症状が出ていなければ、そこまで心配する必要はありません。

寝てる時の咳で病院へ行く目安は?

しばらく様子を見る

寝てる時に咳が出たり、咳のせいで夜中に起きてしまったりしても、咳以外に明らかな症状がない場合は、そのまま様子を見て、翌朝かかりつけの診療時間を待って受診するようにしましょう。

すぐに病院へ行く

以下のような症状がある場合は、すぐに病院を受診しましょう。夜間や休日であれば、救急病院や往診サービスを利用してください。

● 元気がなく、ぐったりしている
● 「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった呼吸の音がする
● 「ケンケン」といった、犬の遠吠えのような咳をしている
● 呼吸をするたびに肋骨の間や鎖骨が凹んでいる
● 酸素不足で顔色が悪い
● 意識障害が出ている
● 生後3ヶ月未満で38度以上の発熱がある

寝てる時に咳が出る際の自宅でのケア方法

赤ちゃんや子供が寝てる時に咳が出て眠れないときは、次のような対策をしてみましょう。

鼻づまりを解消する

鼻が詰まっているときは、鼻水を吸引して鼻づまりを解消しましょう。鼻呼吸がしやすくなり、鼻水が喉に流れ込まなくなるため、寝てる時に咳が出にくくなります。

湯冷ましを飲ませる


寝る前に湯冷ましやお茶を飲むと痰が切れやすくなり、喉のイガイガ感や咳が緩和されることがあります。

さらにハチミツを湯冷ましに混ぜると、粘膜の炎症を抑えることができます。ただし、ハチミツは乳児ボツリヌス症を引き起こす可能性があるため、1歳未満の赤ちゃんには与えないでください。

上体を起こす

寝るときに上体を起こした姿勢にさせることで、痰や鼻水が喉に流れ込むのを防ぐことができ、咳が出にくくなります。頭の位置にあたる敷布団の下にタオルなどを丸めて差し込んだり、クッションを使ったりするとよいでしょう。

部屋の湿度を高める


寝室の空気が乾燥していると咳が出やすくなるため、加湿器を使ったり洗濯物を部屋干しにしたりして、部屋の湿度を60~70%に保つようにしましょう。

寝てる時の咳で考えられる病気は?

赤ちゃんや子供は寝てる時に咳が出やすくなるものですが、咳が何日も続く、呼吸が苦しそう、といった場合は、以下のような病気の可能性があります。疑われる症状が出ているときは、すぐに病院を受診しましょう。

肺炎

肺に炎症が起きている状態で、発熱、咳、呼吸困難などの症状が出ます。原因は主にウイルスですが、細菌(マイコプラズマを含む)の感染が合併していることもあります。

細気管支炎

気管支の奥にある細気管支で炎症が起こった状態で、風邪の初期症状から始まって、ゼーゼー、ヒューヒューといった喘息のような音が出ます。ウイルス感染が原因で、乳幼児の多くはRSウイルスへの感染によって起こります。

小児気管支喘息

呼吸する際に、ゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴が聞こえます。ダニ、カビ、ホコリといったハウスダストに対するアレルギーが原因になることがほとんどですが、寒暖差や受動喫煙なども要因になります。

百日咳

百日咳菌に感染して起こる病気です。初期症状が風邪と似ているため、小児科で診断してもらうまで気づかないこともあります。四種混合ワクチンを接種する前の乳児は、顔を赤くして咳き込んだり、ヒューという吸い込みがあったりします。

副鼻腔炎

副鼻腔にウイルスが感染して炎症が起こります。鼻水がたくさん出て、鼻づまりを起こし、痰が絡んだような湿った咳が出ます。中耳炎を併発することもあります。

クループ症候群(喉頭炎)

喉(喉頭)の炎症で乳幼児がかかりやすい病気の一つです。ケンケンと犬が吠えるような咳や息を吸うときの喘鳴が特徴です。気温や気圧が低下する夜に起こりやすく、呼吸困難になることもあるため注意が必要です。